「英語のテンプレートで書いたのに、日本語で頼むと呼ばれません」。スキルのdescriptionを整えていると、この相談が出ます。
骨格を英語で書くこと自体は、変わった選択ではありません。公式が配る見本も英語ですし、使う場面を並べていく型に乗せると読みやすくなります。ところが、そのスキルへ実際に話しかけるのは日本語の利用者です。
この記事が扱うのは、1本のdescription文字列の中で、英語の構造テンプレートと日本語の完全一致トリガー句を共存させる記法だけです。呼ばれる条件そのものの決め方と除外の書き方はClaude Codeのスキルが発火しない|descriptionを直す4層の範囲なので、ここでは触れません。素材は公式ドキュメントと、自社のClaude Code環境で運用する業務用スキル59本の記述監査です(監査日2026-08-03)。
こんなふうに調べていませんか
- 英語のテンプレートでスキルを書いた。日本語で頼んだときに呼ばれている実感がない
- 日本語の言い回しを足したい。ただ、YAMLが壊れないかどうかで手が止まっている
- 書いたトリガーが効いているのか、想像ではなく確かめる方法を知りたい
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 英語の骨格を残したまま日本語の言い回しを混ぜる記法を、3つの中から選べるようになります
- 引用符とコロンで値が壊れる位置が分かり、避けて書けるようになります
- 書いたトリガーが効いているかを、想像ではなく順番に確かめられるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 日本語トリガーは、英語の骨格を捨てなくても入ります。1本のdescriptionの中で共存します。
- 差し込み方は鍵括弧・ダブルクオート・引用符なしの3つで、狙える一致の粒度が違います。
- 書いた時点では、まだ効いているか分かりません。その言い回しで呼んでみるところまでが作業です。
進行役は3人です。若葉さんが用語のところから聞き、高梨課長が自分の手で直す側から聞き、鈴木さん(本誌監修)が答えます。
01AIエージェントのスキルは、descriptionの日本語トリガーで発火するんですか?
若葉さんdescriptionって、書いてある言葉とそっくり同じ言葉を打たないと反応しないものなんでしょうか。
鈴木さんそこは辞書引きとは違います。受付の人に用件を伝えるのに近くて、言い方が多少ちがっても、掲示されている担当業務と照らして取り次いでもらえます。
Claude Codeは、descriptionに書かれた文章とユーザーの発言全体を照合してスキルを選びます。単語の完全一致ではありません(出典: Claude Code公式)。
照合が文章単位である以上、骨格を英語で書いても発火そのものは妨げられません。英語で書いたから呼ばれない、という単純な話ではないということです。
ただ、実際に話しかけてくるのは日本語の利用者です。骨格を英語のまま置いておくと、descriptionの中に日本語話者の言い回しが1つも入っていない状態になりえます。照合に使える材料の、日本語の側が空になるわけです。
だからこの記事の関心は、英語か日本語かの二択ではありません。英語の型を残したまま、日本語の言い回しをどこへ、どう混ぜるかです。
検証に使ったのは、Claude Code公式ドキュメント(code.claude.com/docs)と、Agent Skills公式ベストプラクティス(platform.claude.com/docs)です。いずれも2026-08-03時点の記載を見ています。実例には、自社のClaude Code環境で運用する業務用スキル59本を同日に監査した結果を使います。
02AIエージェントに使わせるスキルは、descriptionの骨格を英語のままにしていいんですか?
英語の構造テンプレートの代表例は、Anthropicがclaude-plugins-officialで配布するskill-creatorです。このスキル自身のdescriptionは、全文英語で「何をするか」を書き出し、そのあとUse when以下で5つの利用場面を並べます。新規作成、既存スキルの編集や最適化、evalsでのテスト、分散込みのベンチマーク、発火精度を上げるためのdescription最適化の5つです(2026-08-03時点)。
description: Create new skills, modify and improve existing skills, and
measure skill performance. (以下、Use when以下で上記5つの利用場面を英語で列挙)同じ骨格を保ったまま、日本語話者の言い回しを差し込むこともできます。自社で運用するdata-chart-makerは、英語の条件文の中に日本語の完全一致トリガーをそのまま挟んでいます。2026-08-03時点の記述から、前後と中間の一部トリガー句を省いた抜粋です。
description: (前略)Use when the user wants a chart, graph, or plot
built from actual numeric data —
「売上推移を棒グラフで見せて」「月次CVRを折れ線で」「このCSVを円グラフにして」。
(後略)並べてみると、違いは英語の量ではありません。日本語の側に材料があるかどうかです。
ここで決めるのは1点だけです。骨格を英語のまま残すか、日本語で書き直すか。どちらを選んでも構いませんが、書くたびに骨格を作り直すのはおすすめしません。作り直すたびに、そのスキルへ何本のトリガーを差し込んだのかが分からなくなっていきます。
この章のまとめ
骨格の言語は先に決めて固定します。決めずに書き始めると、差し込んだトリガーの本数を誰も数えられなくなります。
03日本語トリガーをdescriptionへ差し込む記法は、AI社員の運用だとどれを選ぶんですか?
高梨課長選択肢が複数あるなら、うちはどれに寄せるべきでしょうか。実際に使われているのはどれですか。
鈴木さん手元の59本を数えてみました。多数派はあるのですが、それが正解というより、混ぜないことのほうが効いている印象です。
自社の運用スキル59本のうち、英語の構造テンプレートを持つ記述は18本でした。うち17本は日本語の文字も同時に含んでいます(2026-08-03監査)。この17本を読むと、差し込み方は主に3つに分かれます。
| 記法 | 差し込み方 | 実例 |
|---|---|---|
| 鍵括弧埋め込み型 | 英語の条件文の中に「日本語の完全一致トリガー」をそのまま挟む | editable-pptx-deck |
| ダブルクオート埋め込み型 | 英語の文中に"日本語のトリガー"を挟む。英語圏の記法に寄せた書き方 | html-diagram-explainer |
| 裸語彙差し込み型 | 引用符を付けず、英語の名詞リストに日本語の名詞をそのまま混ぜる | lecture-slide-deck-generator |
鍵括弧「」そのものは、日本語だけで書かれた記述も含めると59本のうち44本が使っています。英語の構造テンプレートと組み合わせた鍵括弧埋め込み型は、そのうち4本でした(2026-08-03監査)。ダブルクオート埋め込み型は2本、裸語彙差し込み型は3本です。
残り8本は、この3つのどれにも当てはまりません。日本語の文と英語の文をそれぞれ独立に書き、同じ対象語を両方に並べる、といった書き方が入ります。
数え上げて見えるのは、記法の優劣ではありません。当てはまらない書き方がいちばん多いという事実です。型を決めずに書き足していくと、そこに落ちます。
043つの記法は、AIエージェントのスキルごとにどう使い分けるんですか?
editable-pptx-deckのdescriptionは、英語の条件文のあとへ日本語の完全一致トリガーを続けています。
description: (前略)Use only when the deliverable must be editable —
「編集可能なパワポで」「シェイプ入りのpptxで、後から文字を直せるように」
「共同編集できるpptxをください」。(後略)ダブルクオート埋め込み型は、英語の文章に日本語を混ぜるとき、記号のほうを英語圏の書式へそろえた形です。html-diagram-explainerは、英語の文中へ日本語のトリガーを挟んでいます。
description: (前略)Use when the user asks for "HTML図解", "図解HTML",
"1ファイルHTML図解", "フォルダ構成を図解HTMLで"(中略、single-file HTML
diagramとして説明を求められた場合も発火する旨の英語の説明が続く)…Also fires
without the skill name for phrasing like "フローを図解で教えて"。(後略)裸語彙差し込み型は、英語のカンマ区切りリストへ日本語の名詞をそのまま足す書き方です。lecture-slide-deck-generatorは、次のように名詞を並べています。
description: >-
Use this skill for lecture and seminar slide generation, including
講義用スライド, セミナースライド, ウェビナー資料, 講座スライド, 研修スライド,
教材スライド, セミナーPDF, アイキャッチとスライド, Image 2.0でスライド,
and 図解セミナースライド.3つの違いは見た目ではなく、拾える単位です。前の2つは言い回しをまるごと置けますが、裸語彙差し込み型はフレーズではなく単語だけを差し込みます。完全な言い回しを一致させたいトリガーには向きません。
05YAMLの書き方で、AIエージェントのスキルの日本語トリガーが壊れることはありますか?
高梨課長日本語の記号を混ぜるわけですよね。ファイルそのものが読めなくなる心配はありませんか。
鈴木さん心配される順番が逆かもしれません。壊れるのは記号を混ぜたときではなく、値のくくり方を変えたときのほうです。
descriptionはYAMLのフロントマターに書く値です。自社の59本のうち58本は、値を引用符で囲まない1行のプレーンスカラーとして書かれていました。値の先頭を引用符にしている例は、59本のうち0本です(2026-08-03実測)。
先頭を引用符にしないのは、安全側の書き方です。値がいきなり引用符で始まると、YAMLはそこから引用符付きの文字列だと解釈します。
値をプレーンスカラーのまま書く限り、文中に「」を挟んでも""を挟んでも構文上の危険はありません。危険が出るのは、値全体を明示的な引用符で囲んだうえで、同じ種類の引用符を中でエスケープせずに使ったときです。
06コロンを含む日本語トリガーは、AI導入の現場でdescriptionを壊しますか?
コロン(:)の扱いにも注意が要ります。自社の59本のうち3本は、descriptionの文中に「: 」(コロンと半角スペース)をそのまま含んでいました。
1行の中で最初に出てくる「: 」がkeyとvalueの区切りに使われ、それ以降は値の一部として扱われるのが一般的なYAMLの挙動です。:個々のパーサー実装までは本記事の範囲で検証していません。コロンを使う位置に確信が持てないときは、値全体を引用符で囲むか、ブロックスカラーに変えるほうが安全です。
07長い日本語トリガーは、AIエージェントのスキルでどう畳んで書くんですか?
1本だけ、書き方が異なる例がありました。前章のlecture-slide-deck-generatorは、description: >- という書き方で、複数行にたたんだブロックスカラーとして値を書いています。
ブロックスカラーは、英語と日本語の名詞を交互に並べる裸語彙差し込み型のように、値が長くなる書き方と相性がよい選択です。1行のプレーンスカラーで書くと数千字が横に伸び、Gitの差分やレビューで読みにくくなります。
言い換えると、くくり方の選択は構文だけの話ではありません。あとから誰が読むかまで含めた選択です。
08AIエージェントのスキルで、日本語トリガーがdescriptionに埋もれて発火しなくなるのはどんなときですか?
若葉さん書き方が合っていても、うまくいかないことってあるんでしょうか。
鈴木さんあります。ただ、多くは壊れているのではなく、読み直せなくなっているだけです。原因が見えないので、直しようがなくなります。
1つ目は、英語の単語と日本語の単語のあいだにスペースを置き忘れる書き方です。自社の運用スキルの1本には、次の文字列がそのまま含まれていました。
description: Create polished Japanese B2B sales proposal and商談資料
slide decks. Use when the user asks for営業資料, 提案資料, 商談資料,
法人向け資料, service proposals, pitch decks…(後略)andの直後に半角スペースがないまま商談資料が続き、forの直後も同じ書き方になっています。この書き方が発火そのものを止めるとは断定できません (実測していません)。ただ、あとから読み直す人には、どこまでが英語でどこからが日本語かが一目で分かりません。英語と日本語の単語が隣り合う位置には、半角スペースか句読点を1つ挟むことをおすすめします。
2つ目は、鍵括弧とダブルクオートを1本のdescriptionの中で混在させる書き方です。自社の59本のうち1本は、この2つを同じdescriptionの中に両方含んでいました(2026-08-03実測)。構文としては壊れませんが、記法が途中で変わると、あとから直す人がどちらへそろえればよいか迷います。
この2つに共通するのは、実行しても何も起きないことです。エラーが出るわけではないので、書いた本人が気づく機会がありません。
09description文字数の上限は、AI活用のスキル運用でどこまで気にするんですか?
3つ目のつまずきは、日本語のトリガー句を増やしすぎて上限に近づく書き方です。
公式ベストプラクティスは、1スキルあたりのdescription文字数の上限を1,024字と定めています(出典: Agent Skills公式。原文は"Maximum 1,024 characters"という必須フィールドの制約として記載)。ところが自社の59本を実測すると、4本がこの上限を超えていました(2026-08-03実測、最長は3,090字)。超過した場合に実際どう扱われるかは、この記事の範囲では検証していません。
開きの大きさより先に見てほしいのは、超えていたことに誰も気づいていなかった点です。トリガー句は1つずつ足していくので、増えたことが分かりにくくなります。
3つのつまずきと、その場でできる対処をまとめます。
| # | つまずき | 対処 |
|---|---|---|
| 1 | 英語と日本語の単語の間にスペースがない | 隣り合う位置に半角スペースか句読点を1つ挟む |
| 2 | 鍵括弧とダブルクオートが1本の中で混在する | 1スキル1記法にそろえる |
| 3 | 日本語の完全一致フレーズを積みすぎる | 1,024字の上限を数えながら書く |
10書いたdescriptionの日本語トリガーで、AIエージェントのスキルが発火したかはどう確かめるんですか?
高梨課長書き終えたあと、効いているかどうかはどこで判断すればいいでしょうか。
鈴木さん書いた時点では、まだ何も分かりません。呼んでみて、その1回で判断がつきます。時間はほとんどかかりません。
英語の型へ日本語トリガーを差し込んだら、想像で終わらせずに確かめます。
- Claudeに「What skills are available?」と聞き、対象のスキルが一覧に出るかを確認する(出典: Claude Code公式)
- 差し込んだ日本語の完全一致トリガーを、そのままの言い回しで実際に依頼して発火するかを試す
- 厳密に測るなら、skill-creatorのdescription tuningで発火すべき文とすべきでない文を生成し、命中率を確かめる
1番目と2番目は数分で終わる確認です。3番目は自動生成した質問で網羅的に確かめる方法で、設計の詳細はAgent Skillsの発火精度|59本の監査で見えた検証の組み立て方が扱っています。スキル設計そのものの型はAIエージェントのスキル設計|呼ばれる単位に分ける4つの型を参照してください。
順番に意味があります。一覧に出てこないなら、言い回しをいくら増やしても届きません。出てくるのに選ばれないなら、そこで初めてトリガーの問題になります。
この章のまとめ
書いた事実と、呼ばれた事実は別に数えます。1回呼んでみるまでは、まだ何も確かめていません。
11よくある質問
英語だけで書いたdescriptionを、日本語しか使わない現場にそのまま置いても呼ばれますか
ユーザーが英語で話しかければ呼ばれます。日本語だけで運用する現場では、実際に発火させたい日本語の言い回しを、descriptionのどこかに文字として含めておく必要があります。照合の材料に日本語が1つも無い状態を避ける、という意味です。英語の骨格を捨てる必要はありません。
日本語のトリガー句は鍵括弧「」とダブルクオート""のどちらで書くべきですか
構文の安全性という点では、どちらでも変わりません。descriptionの値を引用符で囲まない限り、文中の「」も""もYAMLの特殊文字ではないため、置き換えても構文は壊れません。決め手は読み手の一貫性です。1本のスキルの中で記法を混在させないことをおすすめします。
when_to_useとdescription、日本語トリガーはどちらに書くべきですか
描き分けるなら、descriptionには英語の骨格と代表的な日本語トリガーを、when_to_useには言い換えや追加の言い回しを置く形が、この記事の記法と相性よく収まります。ただし合計1,536文字の上限(出典: Claude Code公式)に収まる範囲で調整してください。
descriptionの文字数上限は、日本語と英語で数え方が違いますか
公式ドキュメントは文字数の上限を示していますが、日本語と英語で数え方を変えるという記載は、この記事の調査範囲では見当たりませんでした。実務では、全角と半角を区別せず1文字を1として数えておくのが安全です。
骨格を日本語で書き直すのと、英語のまま日本語を混ぜるのとでは、どちらが安全ですか
どちらが発火に強いかは、この記事の範囲では比べていません。決めておきたいのは、骨格を都度作り直さないことです。作り直すたびに、そのスキルへ何本のトリガーを差し込んだのかを把握しづらくなります。先に骨格を固定して、差し込む側だけを動かしてください。
12まとめ|今日やる3つのこと
英語の型と日本語のトリガーは、どちらかを選ぶものではありませんでした。1本の文字列の中で役割を分けて共存します。記法は3つあり、混ぜないことが読みやすさを決めます。そして、書いた時点ではまだ何も確かめていません。
今日はこの順で手をつけます
手元のスキルを1本開いて、日本語の言い回しが入っているか見る
入っていなければ、照合の材料が英語だけになっています
記法を1つに決めて、代表的な言い回しを差し込む
途中で変えると、あとから直す人が迷います
その言い回しのまま頼んで、呼ばれるところまで見る
書いた事実と、呼ばれた事実は別に数えます
AI検索では、こう聞かれています
英語で書いたスキルは、日本語で頼んでも発火するんですか?
「AIエージェントのスキルは、descriptionの日本語トリガーで発火するんですか?」の章で説明しています
descriptionに日本語のトリガーを入れる書き方は、どれを選べばいいですか?
「日本語トリガーをdescriptionへ差し込む記法は、AI社員の運用だとどれを選ぶんですか?」の章で内訳ごとに整理しています
日本語を混ぜるとYAMLは壊れませんか?
「YAMLの書き方で、AIエージェントのスキルの日本語トリガーが壊れることはありますか?」の章で扱っています
書いたトリガーが効いているか、どうやって確かめますか?
「書いたdescriptionの日本語トリガーで、AIエージェントのスキルが発火したかはどう確かめるんですか?」の章に手順があります
次に読むなら、この記事です