「この作業、スキルに書けばいいんでしょうか。それともサブエージェントに投げるんでしょうか」。AIエージェントを社内で動かし始めた人から、この質問をよく受けます。

どちらへ渡しても、作業そのものは進みます。違うのは、終わったあとに残る跡のほうです。片方は渡した中身がその会話に居座り、もう片方は別の場所で動いて結果だけを持ち帰ります。この差は渡した直後には見えません。何ターンか進んで、会話が重くなってから効いてきます。

この記事は、スキルとサブエージェントの違いを「文脈がどこにとどまるか」という一点から切り分けます。素材は公式ドキュメントの記載と、運営元WEBMARKSが自分の委譲ルールで実際に使っている線引きです。

こんなふうに調べていませんか

  • スキルに書くべきか、サブエージェントへ渡すべきかで毎回迷っている
  • サブエージェントへ投げたのに、前の話が伝わっていないことがある

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • 依頼をスキルに渡すかサブエージェントに渡すかを、その場で決められるようになります
  • 会話に残す文脈と、切り離してよい文脈を線引きできるようになります
  • 両方をまたぐ書き方を、目的から選び分けられるようになります

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • 賢さの差ではありません。作業の跡が同じ会話に積み上がるか、別の文脈で消えるかという置き場所の差です。
  • 迷ったら、この先も繰り返し引く知識かどうかと、出力が会話を圧迫しないかどうかの順に見ます。
  • 文脈が分かれていることと、安全であることは別です。権限は権限で、あらためて絞ります。
渡し先は、この3つの入口で決まります上から順に見ると、迷う場面が減ります渡し先は、この3つの入口で決まります入口1来月も同じ形で引くか引くなら、机の上に置いたままにする入口2出てくる量が話を押すか生データが多いなら、別室へ出す入口3道具と料金を別に縛るか縛るなら、別室側でしか書けない鈴木さん上から順に見ると、迷う場面が減ります
渡し先は、この3つの入口で決まります — 上から順に見ると、迷う場面が減ります

案内役は3人です。若葉さんが言葉のところから聞き、高梨課長が自分の手で動かす側から聞き、鈴木さん(本誌監修)が答えます。

01スキルとサブエージェントの違いって、結局どこにあるんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

どちらもClaudeに仕事を任せる仕組みですよね。呼び名が違うだけ、ということではないんですか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

荷物をどこへ置くかの違い、と考えると分かりやすいと思います。スキルは同じ机の上に資料を広げるほう。サブエージェントは別室で作業して、報告書だけ持って戻ってくるほうです。

スキルとサブエージェントの違いは、知識や手順をいまの会話に注ぎ込むか、作業ごと切り離した別の文脈へ渡すかです。

読みどころは次の3点です。

  1. スキルは発火すると呼び出し元と同じ会話に読み込まれ、その後もそこに残り続けます。サブエージェントは独自のコンテキストウィンドウで動き、終わると要約だけを返します。
  2. この先も使う知識か、一度きりの重い作業を隔離したいか。この残し方の違いが、渡し先を決める第一の関門になります。
  3. 権限・モデル・自動発火の止め方も別の仕組みで用意されています。副作用のある操作ほど、渡し先の選び方が結果を左右します。

Claude Codeの公式ドキュメントは、両者を並べて案内しています。会話の文脈内で動く再利用可能な指示が欲しいなら、スキルを検討する。この案内は同ドキュメント「Create custom subagents」によるものです(2026-08-03時点)。本記事はこの案内を軸に、判断の物差しを4つへ分解します。

跡が残る場所が、はじめから違います同じ依頼でも、終わったあとの景色が変わります跡が残る場所が、はじめから違います同じ依頼でも、終わったあとの景色が変わります呼んだ会話の中で動く読み込まれた中身が、その場に留まる以後のやり取りでも席を占める前のやり取りは、そのまま見えている机を広く使うぶん、あとで狭くなります別の文脈で動く自前のコンテキストウィンドウで始まる終わると、まとめた答えだけを返す調べた過程は、向こう側で閉じる机は狭いままですが、報告は短くなります
跡が残る場所が、はじめから違います — 同じ依頼でも、終わったあとの景色が変わります

02スキルはAIエージェントの会話に、いつ何が読み込まれるんですか?

Claude Codeの公式ドキュメントは、スキルの仕組みをこう説明しています。SKILL.mdを書けば、Claudeの持ち物に追加されるという仕組みです(出典: Claude Code公式ドキュメント「Extend Claude with skills」)。同じ指示を会話のたびに貼り直しているとき、あるいはCLAUDE.mdの一節が手順として育ったときが、スキルを作るタイミングです(出典: 同上)。

肝心なのは、中身が「いつ」会話へ入るかです。発火する前のスキルは、名前と説明文だけが使われます。発火した瞬間に、SKILL.mdの中身がその会話へ1通のメッセージとして挿入されます。そしてClaude Codeは、その会話中はファイルを読み直しません(出典: 同上)。

つまりスキルは、常時知識をずっと抱えているわけではありません。呼ばれるまでは表札だけで待機し、一度呼ばれたらその場に居座る仕組みです。ここを取り違えると、「書いてあるのに読んでくれない」と「もう消えてほしいのに残り続ける」の両方が同時に起きます。

呼ばれるまでは表札、呼ばれたら同居人中身が届く瞬間は、思っているより遅く来ます呼ばれるまでは表札、呼ばれたら同居人中身が届く瞬間は、思っているより遅く来ます1表札だけ見える名前と説明文が候補として並ぶ2条件が合うその依頼に当てはまると判断される3中身が届く本文がまとめて差し込まれる4居座る同じ会話のあいだ、読み直しは起きない
呼ばれるまでは表札、呼ばれたら同居人 — 中身が届く瞬間は、思っているより遅く来ます

この居座り方が、CLAUDE.mdとの役割分担を決めます。CLAUDE.mdは毎回読み込まれる事実の置き場所、スキルは使うときだけ読み込まれる手順の置き場所です。命名や分割の型を含む設計の基準そのものは、AIエージェントのスキル設計|呼ばれる単位に分ける4つの型で扱っています。本記事は、サブエージェントとの境界だけに絞ります。

この章のまとめ

スキルは「持っている知識」ではなく「呼ぶと居座る手順」です。居座る前提で、書く量を決めます。

03サブエージェントは、前の会話をどこまで引き継いでくれるんですか?

公式ドキュメントは、サブエージェントを次のように定義しています(出典: Claude Code公式ドキュメント「Create custom subagents」)。独自のシステムプロンプトとツールアクセスを持ちます。独立した権限を持ち、専用のコンテキストウィンドウで動くアシスタントです。検索結果やログ、ファイルの中身のような、あとで参照しない出力が会話にあふれそうなときに使う仕組みです(出典: 同上)。

決定的な違いは、引き継ぐ範囲にあります。サブエージェントは起動のたびに新しいコンテキストで始まり、会話履歴・すでに読んだファイル・使用済みのスキルのいずれも引き継ぎません(出典: 同上)。受け取るのは、Claudeが書いた委譲メッセージと、CLAUDE.mdの階層、親セッション開始時点のGitステータスだけです(出典: 同上)。

別室へ持って入れる荷物、入れない荷物書いていないことは、向こうには届きません別室へ持って入れる荷物、入れない荷物書いていないことは、向こうには届きませんClaudeが書いた依頼文そのものCLAUDE.mdの階層親セッションが始まった時点のGitの状態ここまで交わしたやり取りこの会話で開いたファイルの中身この会話で使った手順書の中身抜けたことに気づけるのは、答えがずれてからです
別室へ持って入れる荷物、入れない荷物 — 書いていないことは、向こうには届きません

作業を終えて親の会話へ戻るのは要約だけで、探索の過程そのものは親に残りません。スキルが「その場に居座る」のに対し、サブエージェントは「独立して動き、要約だけを持ち帰る」構造です。

高梨課長
高梨課長の発言

引き継がないということは、こちらが前提を書き落としたら、そのまま抜け落ちるわけですね。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そうなります。人に頼むときの依頼メールと同じで、書いていないことは伝わりません。ゴール・範囲・入力・返し方をその1通に入れておく、という運用にしています。

何体まで並列に動かし、判断役と実行役をどう分けるかという設計思想は、サブエージェント設計|委譲の線引きと3つの失敗で扱っています。ここでは、スキルとの境界だけに絞ります。

04スキルとサブエージェントの違いを、7つの観点で並べるとどうなりますか?

同じ「作業を任せる」でも、仕組みが違えば結果の残り方も変わります。並べて確かめます。

観点スキルサブエージェント
実行される場所呼び出し元と同じ会話に読み込まれる独自のコンテキストウィンドウで新規に始まる
会話履歴の継承それまでの会話をそのまま引き継ぐ引き継がない。委譲メッセージとCLAUDE.md階層、親セッション開始時点のGitステータスだけを受け取る
結果の残り方発火後もその場に居座り、以後のターンでも文脈を占有する要約だけが親に返り、探索の過程は親に残らない
権限・ツールの絞り方allowed-toolsはその発火ターンのみ有効tools・disallowedTools・permissionModeで独立に絞れる
モデルの切り替えmodelフィールドはそのターンだけの一時切り替えmodelフィールドは実行全体に適用され、安価なモデルへ恒常的に振れる
自動発火を止める手段disable-model-invocation: trueで手動起動だけに限定できるpermissions.denyにAgent(名前)を登録し個別に止める
定義ファイルの置き場所.claude/skills/<name>/SKILL.md.claude/agents/<name>.md
置き場所を、住まいにたとえるとどちらの住所に登録するかで、暮らし方が決まります置き場所を、住まいにたとえるとどちらの住所に登録するかで、暮らし方が決まります住まいでいうとClaude Codeでいうと同じ部屋に机を足す.claude/skills/ に置く別棟に机を用意する.claude/agents/ に置くその日だけ借りる作業台呼ばれたターンだけ効く絞り込み別棟に据え付けた作業台働いているあいだ効き続ける絞り込み
置き場所を、住まいにたとえると — どちらの住所に登録するかで、暮らし方が決まります

置き場所の違いは見落とされがちですが、実務では一番はっきりした判定材料です。.claude/skills/に置くか.claude/agents/に置くかを、まず決めます。決めた時点で、残りの観点は仕組みとして自動的に決まります(出典: Claude Code公式ドキュメント、2026-08-03時点)。

05スキルとサブエージェント、AIエージェントに渡す先はどの順番で決めればいいんですか?

依頼をどちらに渡すか迷ったら、次の軸を上から順に確認します。答えがはっきりした時点で、渡し先はほぼ決まります。

  1. 残したい知識か、消えてよい探索か:この先の会話でも繰り返し参照する基準や手順ならスキルへ。今回限りで、結果だけ分かればいい調査や下読みならサブエージェントへ渡します。
  2. 出力が今の会話を圧迫しないか:検索結果・ログ・ファイルの中身のような大量の生データが出るなら、サブエージェントで隔離します。数十行の手順やチェックリストなら、スキルのままで十分です。
  3. 権限やモデルを個別に縛りたいか:読み取りだけにしたい、安いモデルに固定したいという要求があります。その場合は、tools・model・permissionModeを独立に持てるサブエージェントが向きます。
  4. 副作用をどう止めたいか:手動起動だけに限定したいならスキルのdisable-model-invocationを使います。特定の委譲先そのものを禁じたいなら、permissions.denyでAgent名を拒否します。
先に見る2つが、住所をほぼ決めます埋まった区画より、空いた区画から読みます先に見る2つが、住所をほぼ決めます埋まった区画より、空いた区画から読みます同じ部屋に置いておく基準、型、言い回しのそろえ方外へ出したうえで持たせる別棟側に、決まりごとだけ先渡しするその場で開いて捨てる今回だけの段取り。残す値打ちが薄い別棟へ出して答えを待つ下読み、横断の調べもの、照らし合わせ上:来月も引く / 下:今回きり左:過程まで見たい / 右:答えだけでいい
先に見る2つが、住所をほぼ決めます — 埋まった区画より、空いた区画から読みます

最初の2つが第一の関門です。3つ目と4つ目は、上の2つで「サブエージェント寄り」と出たあとの微調整に使います。順番を入れ替えて権限の話から始めると、そもそも切り離す必要のない依頼にまで独立実行の設計を持ち込むことになります。

送信・公開・削除といった副作用のある操作を止める設計そのものは、AIエージェントの承認ゲート|止める操作4種と3層の選び方で扱っています。

この章のまとめ

軸には順番があります。残し方から入り、権限の話は後半で足す。逆から入ると設計が重くなります。

06うちではスキルとサブエージェントを、AI社員の運用でどう分けているんですか?

WEBMARKSは2026-06-24に7部署・30体のAI社員体制へ統合しました。.agents/skillsは2026-07-28時点で59本まで増えています(自社実測台帳より)。本数が増えるほど、何を会話に残し、何を切り出すかの線引きが曖昧だと運用が崩れます。

社内の委譲ルール(2026-07-24制定)は、実働を「日本語ドラフトの執筆」「Vault内外の裏取り」「機械的な整形」という3種類の子エージェントへ渡す設計です。この記事自体の執筆も、その委譲ルールに沿ってサブエージェントへ渡された1本です。

分類スキルに向く例サブエージェントに向く例
参照する知識文体規約・命名の型・禁止表現のような、何度も参照する基準
単発の重い作業複数記事の横断調査、大量ファイルの下読みのような一度きりの探索
継続する手順執筆フォーマットやチェックリストのような、会話を通して繰り返す手順
独立させたい実行原典照合・機械検証のような、結果だけ受け取れば足りる工程
下にあるものほど、入れ替わりません動かないものを下に、毎回変わるものを上に置きます下にあるものほど、入れ替わりません動かないものを下に、毎回変わるものを上に置きます毎回まるごと入れ替わる実行(最上段)下読み、横断の調べもの、照らし合わせ案件ごとに少し変わる段取り(中段)書式のひな型、確かめる項目の並び何度でも引く基準(土台)文体の決まり、名づけの型、書かない表現外へ出すのは、いちばん上の段だけです。
下にあるものほど、入れ替わりません — 動かないものを下に、毎回変わるものを上に置きます

積み上げると、表とは別の見え方になります。下にあるものほど動かさない、ということです。文体規約や命名の型は、記事が変わっても同じものを引きます。執筆フォーマットは案件ごとに少し変わります。いちばん上の実行だけが、毎回まるごと入れ替わります。

高梨課長
高梨課長の発言

この線引きは、うちのような小さいチームでもそのまま使えるものでしょうか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

部署の数は関係ないと思っています。見るのは、その中身を来月も同じ形で引くかどうか。引かないものを会話に残さない、というだけの基準です。

07スキルとサブエージェントを、1つのAIエージェントで両方使えるんですか?

スキルとサブエージェントは、排他的な選択肢ではありません。Claude Codeは、両者をまたぐ設定を2つ用意しています。

1つ目は、スキル側にcontext: forkを付ける方法です。指定すると、そのスキルの中身がサブエージェントへの指示に変わります。会話履歴を持たない、独立した文脈で実行されます(出典: Claude Code公式ドキュメント「Extend Claude with skills」)。次は公式ドキュメントの例を要約した書き方です。

---
name: deep-research
description: 特定のテーマを厚く調べる
context: fork
agent: Explore
---

指定されたテーマについて、関連ファイルを横断的に調べ、要点を返してください。

普段は会話にとどめておきたい手順でも、実行のたびに大量の探索が発生するなら、この書き方でサブエージェント側の性質を借りられます。

橋は、重なったところに架かっていますどちらかを捨てる必要はありません橋は、重なったところに架かっていますどちらかを捨てる必要はありません同じ部屋に置く側別棟へ出す側表札で待つ/呼ばれて居座る/前のやり取りが見える自前の文脈/答えだけ返す/道具を個別に絞れるまたぐ書き方またぐ書き方 : context: fork / skills フィールド選び直しではなく、足し方の話として読んでください。
橋は、重なったところに架かっています — どちらかを捨てる必要はありません

2つ目は逆方向です。サブエージェントの定義にskillsフィールドを書く方法もあります。指定したスキルの中身が、起動時にまとめて読み込まれます(出典: Claude Code公式ドキュメント「Create custom subagents」)。

---
name: article-writer
description: 記事の執筆を担当する
skills:
  - style-guide
  - format-standard
---

サブエージェントは会話履歴を引き継ぎませんが、この書き方なら、いつも使う規約だけは最初から持たせられます。委譲メッセージを毎回長く書き直す手間も減ります。

08サブエージェントに渡せば、AI導入の事故は防げるんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

別の文脈で動くなら、こちらの本番環境には手が届かない、という理解でよいですか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこは分けて考えたほうがいいです。文脈が別になっただけで、使える道具は減っていません。減らしたいなら、道具のほうを明示的に取り上げる必要があります。

つまずきやすい誤解を並べます。

よくある誤解公式ドキュメント・実装の実際対処
スキルに重い調査手順を書けば、サブエージェントの代わりになるスキルは発火した会話に居座り続けるため、重い結果を書き込むほど以後のターンの文脈を圧迫する探索が重いならcontext: forkでサブエージェント実行に切り出す
サブエージェントに投げれば、会話の流れを覚えたまま作業してくれるフォークでない限り、会話履歴・既読ファイル・使用済みスキルは一切引き継がない委譲メッセージにゴール・スコープ・入力・出力形式を明示的に書く
副作用のある操作は、サブエージェントに渡せば自動的に安全になるtools・disallowedToolsを絞らなければ、サブエージェントもメインと同じ操作ができる送信・公開・削除はツール制限か、hooksのPreToolUseで遮断する
取り違えているのは、いつも別々の2つ誤解の中身より、混ざった組み合わせを見ます取り違えているのは、いつも別々の2つ誤解の中身より、混ざった組み合わせを見ます取り違え1重さと居場所重い段取りほど、どこに置いたかが効いてくる取り違え2近さと記憶同じ依頼から生まれても、記憶までは続かない取り違え3仕切りと鍵束机を分けても、鍵束のほうは分かれない
取り違えているのは、いつも別々の2つ — 誤解の中身より、混ざった組み合わせを見ます

09サブエージェントで文脈を分けることは、AIエージェントの権限を絞ったことになるんですか?

物差しを、一本から二本に増やす分けた対象が違えば、確かめる場所も違います物差しを、一本から二本に増やす分けた対象が違えば、確かめる場所も違います一本で測っていたころ別棟に出したから安心だと考える使える道具の一覧を見ないまま渡す取り消せない操作の止め場所が空欄分けたつもりのものが、分かれていません二本に分けて測る住所は住所で決める渡さない道具は名指しで外す止め場所は、別の欄として設計する同じ依頼でも、確かめる欄がふたつになります
物差しを、一本から二本に増やす — 分けた対象が違えば、確かめる場所も違います

3つの誤解に共通するのは、「文脈が別れているかどうか」を「安全かどうか」や「賢さの差」と混同している点です。分けたのは作業机であって、鍵束ではありません。文脈の分離は権限の分離とは別の設計判断で、両方を別々に決める必要があります。

10スキルとサブエージェントの渡し先を選び間違えると、生成AIの会話には何が起きるんですか?

選び間違えても、すぐには何も起きません。困るのは、そのあとです。

重い調査結果を会話へ書き込み続けると、以後のターンで使える余地がそのぶん削られていきます。やがて自動要約(オートコンパクション)が働き、それまでのやり取りが圧縮されます。要約は便利ですが、圧縮の粒度は選べません。残しておきたかった前提が、まとめて短くされることがあります。

サブエージェントへ渡していた場合、親の会話に積み上がるのは要約だけです。探索の過程は別の文脈で完結し、そこで捨てられます。同じ作業量でも、親の側で目減りする量が変わります。

選び間違えたあと、順に起きることどの段でも、画面には何も出ません選び間違えたあと、順に起きることどの段でも、画面には何も出ません1重い調べものの結果を、その場に書き込むはじめのうちは、何も困りません2以後のやり取りで使える余地が細る同じ質問でも、返答が浅くなり始めます3自動要約が働いて、まとめて縮められるどこを縮めるかは、こちらで選べません4残しておきたかった前提が短くなる話が通じない感覚として、ここで表に出ます
選び間違えたあと、順に起きること — どの段でも、画面には何も出ません

逆向きの失敗もあります。繰り返し引く基準をサブエージェント側に閉じ込めると、毎回の委譲メッセージへ同じ説明を書き足すことになります。会話は軽いままですが、依頼の文が長くなり、書き落としも増えます。

11よくある質問

スキルとサブエージェント、どちらから検討すべきですか

繰り返し使う知識や手順なら、まずスキルとして書くほうが単純です。1回きりの重い調査や、権限を個別に絞りたい作業だけをサブエージェントへ回します。迷ったときは、その中身を来月も同じ形で引くかどうかを自問してください。引くならスキル、引かないならサブエージェントです。

1つの依頼でスキルとサブエージェントを両方使ってもいいですか

使えます。スキル側のcontext: forkか、サブエージェント側のskillsフィールドで橋渡しできます。両者は排他的な選択肢ではありません。普段は会話に置いておきたい手順が、実行のたびに重い探索を伴う場合は、前者が向きます。決まった規約を毎回持たせたい場合は、後者です。

サブエージェントに渡すと、コストは自動的に下がりますか

自動的には下がりません。modelフィールドで安いモデルに固定すれば下がりますが、既定は呼び出し元のモデルを引き継ぐ設定です。安くしたいなら、渡し先を変えるだけでなく、モデルの指定まで書きます。会話が軽くなることと、料金が下がることは別の話として数えてください。

スキルの内容を書き換えたら、会話の途中でも反映されますか

反映されません。Claude Codeはその会話中にスキルファイルを読み直さないため、更新は次にスキルを呼び出すか、新しい会話を始めるまで反映されません。直したのに挙動が変わらないときは、まず会話を替えて確かめてください。中身の誤りを疑うのは、そのあとです。

サブエージェントに送信や公開の操作をさせても安全ですか

権限を絞らなければ安全ではありません。tools・disallowedToolsで対象を除くか、hooksのPreToolUseで事前に遮断する必要があります。別の文脈で動いていることは、道具を取り上げたことにはなりません。取り消せない操作については、渡し先の種類ではなく、止める仕組みのほうを設計してください。

スキルとして書くとき、分量の目安はありますか

SKILL.md本体は500行以内に収め、descriptionには三人称でwhat/whenを書く、という形で運用しています。発火すると全文が会話へ入るため、長さがそのまま以後のターンの重さになります。長くなったら、分割するか、重い部分をcontext: forkで切り出すかを検討してください。

12まとめ|今日やる3つのこと

違いは能力ではなく、跡の残り方でした。順番は、残し方から見て、権限は後から足すでした。そして文脈を分けたことは、権限を絞ったことの代わりにはなりませんでした。

今日この順で手をつけます

  1. 手元の依頼を1つ選び、その中身を来月も同じ形で引くかを言葉にする

    ここが決まらないと、あとの軸は全部あと付けになります

  2. 決めた答えを、.claude/skills/.claude/agents/のどちらに置くかで書き出す

    置き場所を先に書くと、権限もモデルも仕様として付いてきます

  3. 送信・公開・削除を含む依頼だけ、tools側で外す道具を名指しする

    渡し先を変えただけでは、道具は減っていません

AI検索では、こう聞かれています

  • スキルとサブエージェントは、どちらに作業を渡せばいいんですか?

    「スキルとサブエージェント、AIエージェントに渡す先はどの順番で決めればいいんですか?」の章で順番に整理しています

  • サブエージェントは、前の会話を覚えていてくれるんですか?

    「サブエージェントは、前の会話をどこまで引き継いでくれるんですか?」の章で受け取るものを並べています

  • スキルとサブエージェントは、両方いっしょに使えますか?

    「スキルとサブエージェントを、1つのAIエージェントで両方使えるんですか?」の章で橋渡しを扱っています

  • サブエージェントに渡せば、危ない操作も安全になりますか?

    「サブエージェントに渡せば、AI導入の事故は防げるんですか?」の章に答えがあります

次に読むなら、この記事です